決戦直前。キックボクサー志朗に見る覚悟

決戦まであと5日、志朗は埼玉県さいたま市にある『BeWELL』で最終調整に励んでいた。体重はあと2㎏落とせばOKだ。


5月19日、日本では格闘技の聖地と呼ばれる後楽園ホールで志朗はサイロムノーイ・ティデットガウガウと対戦する。練習前に志朗は言った。「今年になって4戦め。

でも、まだ一度も勝っていないので(2敗1分)、とにかく結果を出さないと」 サイロムノーイはラジャダムナンスタジアム認定のムエタイのランキングで現在スーパーフライ級8位にランクインする強豪だ。

志朗は「タイ人だから何でもできるけど、中でもパンチとローが強いタイプ」と分析する。サウナスーツを着込んでエアロバイクに跨がると、目の前にスマートフォンを置き、ムエタイの試合映像を映し出した。

サイロムノーイの現地での試合だ。その試合映像を見ながら、志朗は呟いた。「サイロムノーイはうまくはない。結構相手の攻撃を食らったりしている。相性は合いますね」
ムエタイはタイの国技だが、日本ではキックボクシングのカテゴリーに入れられることがほとんど。ムエタイはインターバルが2分あるのに対して、キックボクシングのそれは1分など細かい違いも多い。

志朗も日本とタイでは闘い方を分けて考えている。
「タイだったら首相撲重視なのに対して、日本だったらパンチとロー。それに、日本だと試合が決まってから2カ月間は調整できるので、考える時間も十分にある」
勝てば、それまでの努力と苦労は全て報われる。しかし、僅差でも負けてしまったら┄┄。弱冠19歳ながら、志朗は勝負の恐ろしさをイヤというほどわかっている。

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