ペルーの男子ボクサーとしては初の世界王者──アルベルト・ロッセル(35歳)をご存じか。ロッセルは2012年4月14日、活動の拠点であるリマでホセ・アルフレド・ロドリゲスを3-0の判定で破ってWBA世界ライトフライ級「暫定」王座を奪取。

以後、2度の王座防衛を果たしている。

今年3月16日、当時同級15位だったワルテル・ディアスを撃破すると、ロッセルは「次はイオカと統一戦をやりたい。イオカにボクシングレッスンをさせる」とアピールした。

ロッセルにラブコールを送られたイオカとは、WBC世界ライトフライ級「正規」王者の井岡一翔を指す。

現在、日本では久しぶりにボクシングブーム。国内では最速記録となる7戦目で世界王座を獲得した井岡は牽引者のひとりといえるだろう。

しかしながら井岡陣営のターゲットはWBA世界同級スーパー王者のローマン・ゴンザレス(ニカラグア)。WBAでは他団体でも世界王者と認定されている王者をスーパー王者として認定している。
一度は井岡・ゴンザレス陣営とも統一戦に合意。実現に向けて動き出していたが、延期されてしまった。同じ階級に「スーパー」「正規」「暫定」と何人もの世界王者がいるのもおかしな話だが、そうすることでボクシング市場が潤っていることも確か。

果たしてゴンザレスよりも先に井岡との統一戦を実現させることができるだろうか。世界チャンピオンはひとりだけでいいと思っているのは筆者だけではあるまい。

 

Writer:布施鋼治

1963年7月25日、札幌生まれ。スポーツライター。

大学生時代より執筆業を開始。現在はNumber、共同通信、北海道新聞、ファイト&ライフ、スポルティーバなどに執筆中。
2009年、「吉田沙保里 119連勝の方程式」(新潮社刊)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。
他の主な著作に「東京12チャンネル運動部の情熱」(集英社刊)、「格闘技絶対王者列伝」(宝島文庫)などがある。
「ファイティングTV サムライ」などで格闘技番組の解説も務める。

 


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