ナスカ地上絵の研究保護活動へ山形大学とミラドール協定締結

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ペルーにある世界遺産の一つ「ナスカの地上絵」を保護するために設立された、株式会社ミラドール(埼玉県新座市)が、ナスカの地上絵を発掘研究している山形大学人文学部と研究保護を支援する協定を締結した。

8月8日、都内にある山形大学のサテライトキャンパス内にて、株式会社ミラドールの田島陽志代表取締役(33)と山形大学人文学部の北川忠明学部長が、ナスカの地上絵について研究保護を支援する協定を結び、協定書に調印を行った。

株式会社ミラドールは、埼玉県新座市にある、乗用車部品や医療機器などの金属加工を専門とする田島製作所の関連会社。田島製作所の持つ技術を生かした銀の精密技術で加工した銀細工「トレースリング」を販売し、その売上の一部を、ナスカの地上絵保護に充てる。同社は、こうした保護活動を中心とした社会国際貢献のために作られた会社だ。

田島社長とナスカ地上絵の出会いは、大学で国際経済を学んだ後、卒業旅行でペルーを訪れたことに始まる。ナスカの地上絵は、世界遺産として広く知られているが、環境の影響を受けて、地上絵の保護が難しくなっているという現実もある。地上絵の研究者として知られるドイツ人考古学者、マリア・ライヒェ氏が建設した、地上絵の展望台「ミラドール」も、老朽化している。

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そこで、株式会社ミラドールは、田島製作所の持つ技術を使い、高純度の銀で作られた、ステンレス並みの硬度を持つ銀製品を制作。それをペルーで発売し、新しい展望台建設の資金野ほか、売上の5%をナスカの新しい地上絵発見などに成功している、山形大学人文学部に研究保護資金として提供していく。

田島氏の地上絵保護への思いは、ペルーの文化庁も動かした。日本ペルー協会や、ペルー外務省、カプニャイ元駐日ペルー大使、ペルーにある日系金融機関パシフィコの協力により、本格的なミラドールプロジェクトとして始動し始めた。締結後の会見では、「山形大学は2004年から、地上絵に関する学術調査を実施。今後も研究継続するが、同時に保護に寄与する活動を積極的に展開していく。株式会社ミラドールからの寄付金を基金として受け入れることで、世界遺産ナスカの地上絵の保護と解明に寄与できれば幸いだ」とナスカの地上絵研究の中心である坂井正人教授からのメッセージが読み上げられた。

また、田島社長は「現地での立ち入り調査を認められているのは、世界で山形大学だけ。ナスカの研究は同大学なしでは維持できない。子どもや孫に役立つ支援を続けていきたい」と語っている。

今後、ミラドールからは、年間1000万から1500万円を目安に、寄付される予定。同社の製品や、ペルーの国際空港や、ホテルなどで販売される。

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株式会社ミラドール公式サイト

写真上:左から日本ペルー協会奥村事務局長、田島社長、山形大学北川学部長、山形大学山崎教授

写真中:2015年完成予定の新しいミラドール(展望台)

写真下:株式会社ミラドール販売のトレースリング


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