中南米縦断10万5千キロを一人旅モデルのERIKO「暮らす旅びと」出版記念
モデルのERIKOさんは、定住旅行家として、世界のいろいろな場所で暮らす中で得た経験や様子を伝えてきた。2012年にはじまった中南米縦断旅行をまとめた本「暮らす旅びと(かまくら春秋社)」が、3月に発売されることになった。
高校在学中からイギリスやアメリカに語学留学をしていたというERIKOさんだが、17歳でモデルデビューした後は、ロシアやイタリア、アルゼンチンなどで長期滞在の旅行をする中で、人との出会いや生活にとても興味を持ったという。そして、「中南米を旅する」ということを実現させるため、自力でスポンサーを探しながら、ついに2012年から1年4カ月をかけ、て中南米・カリブ25カ国を周る旅を行った。
-なぜ中南米を周ろうと思ったのでしょうか?
ERIKO「南米にいくことになったのは、2009年にアルゼンチンへとスペイン語の語学留学をしたことがきっかけでした。アルゼンチンでの経験は、人生に対して価値観が変わるほど大きな影響がありました。そこから中南米に対する興味がさらに強くなり、中南米の国々を訪れ、日本と中南米を結び付けるために活動したいと思うようになりました」
‐旅を続ける中で、辛いことはなんでしたか?
「カリブのグレナダという国で交通事故に遭ってしまい、5カ月間松葉杖を使った旅をしたことですね」
‐各国いろいろな思い出があると思いますが、その中で印象的なエピソードはありますか?
「ペルーで聖なる山として知られるアウサンガテ山の隣にあるシナカラ山で行われる、コイヨリティという祭りに参加したことですね。毎年5月下旬から6月のはじめに開かれるこの祭りは、カトリックとアンデス地域で古くから信仰されているものがミックスしていて、人々は標高4600Mのシナカラ山にある教会を目指して巡礼をします。人々は様々な祈りを捧げ、一晩中踊り続けるお祭りなのですが、途中で山のクレバスに落ちて命を落としてしまう人もいます。人々の信仰の深さに触れることができました」
-旅を通じて伝えたいことはなんでしょうか?
「世界中には、多様な生き方や生活があって、それを普段我々は知ることができないけれど、同じ一生という大切な命を持って生きることは同じであること、世界中の人々の生活を体験し、そこに広がるいろいろな物語を伝えていきたいと思います」
‐ERIKOさんに旅とはなんでしょうか?
「旅は目的ではなく、手段です。旅自体が目的なのではなく、旅は人々のことを知るツールだと思っています。そして本当の意味での旅とは、他人の人生や心に入っていくことだと思っています」
日本に帰国後は、「日本と中南米の架け橋に」というミッションに向かい、トークイベントなどで、中南米滞在の様子などを発表してきた。
ERIKOさんの初著書となる『暮す旅びとーひとりで渡った中南米縦断10万5千キロ』では、実際に現地で触れ合った人たちのことや、ERIKOさんが伝えたい旅の思いがつづられている。その出版を記念して、国内の中南米に関わる人たちが参加する出版記念交流会が開かれる。ERIKOさんから直接旅のエピソードを聞きながら、新たな中南米の魅力を発見してみてはどうだろうか。
★「暮す旅びとーひとりで渡った中南米縦断10万5千キロー」出版記念交流会
日時: 2015年3月5日(木) 17:00~
場所: 川崎汽船株式会社
15階 「ケイライン カフェ」 東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング(3階が入館受付となります)
主催:日本ペルー協会・日本チリー協会 協力:天野博物館友の会