中南米25カ国を訪れた旅の記録「暮らす旅びと」出版記念交流会開催

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定住旅行家・モデルのERIKOさん初著書、「暮らす旅びと」の発行を記念して、日本ペルー協会・日本チリ―協会主催の出版記念交流会が都内で開催された。

3月5日、東京都千代田区にある川崎汽船株式会社内のケイラインカフェには、中南米の大使やラテンアメリカに関わる人たちがぞくぞくと訪れて、会場は熱気に包まれていた。

モデルのERIKOさんは、鳥取県米子市生まれ。17歳からモデルの仕事を始め、現在では定住旅行家として旅の記録を発信し続けている。

10代の頃より始まった海外での語学留学。英語、スペイン語の他に数カ国を話せることを武器に、イタリアやロシア、アルゼンチンなど各地を訪れてきた。ERIKOさんが中南米へと誘われたのは、偶然の導きがそうさせたのか、思いもかけないアルゼンチンでの語学留学がきっかけだったという。

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そこで出会った子どもの手を引く貧しい女性から手渡された1ペソのコイン。そこでの経験が、後に中南米25カ国を周りそして、日本との架け橋になるという目標につながっていく。

しかし、すでにモデルとしてのキャリアを築いている中、長期に日本を離れてしまうということは、そのキャリアを後退させてしまいかねない。華やかな世界では、ちょっとしたことで、自分への仕事が消えてしまうこともある。

それでもこの旅をめざし、旅の企画書を作り独自でスポンサー探しも行った。人と人との出会いをつなげながら、中南米を駆け抜けた10万5千キロの旅は、1年4カ月続いた。「暮らす旅びと」とは、ずばり定住旅行家のERIKOさんそのものだ。そして本書には、ERIKOさんと出会った中南米に暮らす、普通の人たちの生活があふれている。その一人ひとりの涙や喜びを感じとっていく様子が、行間からあふれている。

ここで「暮らす旅びと」を手に、ぜひ読んでほしいのが、いくつかの国で登場する日系人家族との出会いだ。明治の頃日本から多くの人たちが、中南米へと移民として移り住んでいった歴史がある。

第二次世界大戦を挟み、1971年まで日本からの移民事業が行われていた。日本とは反対側にある国々で、日本の文化を大切にしながら生きる人たち。彼らに思いをはせる時、中南米は遠い国ではなくなるはずだ。

ところで、地球幸福度指数(Happy Planet Index:HPI)というのを、イギリスの民間シンクタンクが昨年末発表している。これは、持続可能な幸福度を世界規模で測定するため、151カ国を対象にして調査したものだ。これによるとトップ10は、すべて中南米で占められている。日本の結果は45位だった。継続して発展していくために必要なものは、経済ではなく、人々がどの程度今の暮らしを幸福だと考えているのかという視点でみてみると、中南米の国々は、日本よりもはるかに幸福度が高いと言える。

「なぜ、先進国と言われる日本よりも、中南米の人たちのほうが幸せなのか」という問いの正解は、なかなか難しいかもしれない。

しかし、「暮らす旅びと」を読み終えると、私たちが日本にいながら、幸せを感じることができるのではないかという、新たな視点を見つけることができるはずだ。それは特別なことではないかもしれない。水も十分にない、電気も電話も思うようにつかない。それでも人は幸福を感じることができるし、幸福を感じる力こそが人を変えていくのではないかと思わされた、

ERIKOさんの旅は、まだまだ続く。

 

写真上:駐日ペルー・エスカラ大使とERIKOさん。

写真中:ドロンズ石本さんと一緒に。

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