さいたま市で開催「アンデス黄金郷クントゥル・ワシとペルー音楽の夕べ」

大貫良夫

 

 

4月7日、埼玉県さいたま市内で、埼玉県ペルー友好協会主催のチャリティーイベントが開催された。

埼玉県ペルー友好協会(会長:牧原は、昨年設立された団体で、ペルーと埼玉県の文化交流や情報発信などを元に、両地域の絆を深めることを目的にしている。この日のイベントは、同協会が初めて主催するもので、エスカラ駐日大使夫妻や、駐日ペルー領事夫妻を招き、第1部として大貫良夫東京大学名誉教授による特別講演会、第2部には、ペルーにあるクントゥル・ワシ遺跡博物館へ寄付を兼ねたチャリティーディナーショーを行い、110名が参加した。

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大貫良夫東京大学名誉教授の講演会テーマは、「ペルーの魅力、特にその北部について」。ペルーへの観光というと、マチュピチュやナスカに代表されるような主に南部がよく知られているが、大貫教授によると、ペルーの歴史をひも解くのに重要な遺跡などは、北部にあるという。講演会の初めには、ペルー北部の中心都市であるカハマルカが紹介された。標高2700メートルの盆地にあり、植民地時代の街並みを今も残している。インカ最後の皇帝、アタワル皇帝が幽閉された地としても知られるカハマルカは、昨今とくに注目される観光地だ。

このカハマルカ近郊には、いくつもの遺跡が残り、中でもクントゥル・ワシ遺跡は、紀元前800年頃のもので、大貫良夫教授が団長を務めていた東京大学古代アンデス文明調査団によって発掘された。講演会では、出土した金銀の装飾品の見事さや、遺跡にまつわる調査報告などが語られ、実際に調査に携わったときの秘話などに会場から感嘆の声が聞かれた。

ペルーは、海岸沿い、山間部、ジャングル地域に分かれ、それぞれが魅力的な観光ポイントではあるが、特に北部は、ペルー政府も観光プロモーションに力を入れており、ペルーの奥深い魅力を知る上で、ぜひ訪れたい場所として知らている。

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続いておこなれた第2部のチャリティーディナーショーでは、ペルー音楽の一つであるクリオーリャ音楽の演奏を聞きながら、テーブル席では、季節の食材に彩られた料理が提供された。このチャリティーディナーショーは、クントゥル・ワシ遺跡の出土品が展示されているクントゥル・ワシ遺跡美術館への支援を行うために開催されており、この日のチケット代金の一部が寄付される。
クリオーリャ音楽の演奏は、在日の日系人音楽家、ホルへ&ロサマリア・ハマダ夫妻。ペルー音楽というとアンデス音楽を想像しがちだが、海岸沿い地域で発展したというクリオーリャ音楽は、独特の雰囲気とどこか懐かしいような、それでいでエギゾチックな旋律に、会場内を異国情緒あふれる雰囲気に変えていた。

チャリティーディナーショーの開始に先立ち、エスカラ大使による挨拶では、4月3日はペルー日本友好記念日であることに触れ、こうした集まりを通じ、ペルーを知る人が増え、またペルーとのつながりが強いものになることへの感謝を述べていた。

写真上:大貫良夫東京大学名誉教授

写真下段:左よりエスカラ駐日ペルー大使、牧原会長、ホルへ・ロサマリア・ハマダ夫妻

会場写真Flckr


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