ペルーの子供たちの英語教育を支援。日本の大学生が教育格差に取り組む理由

リマ首都圏には仕事と富を求めて、農村部からの人口移動で都市部に人口が集中し、それに伴う経済格差と貧困問題の解消がこれまでの緊急改題になっている。

また同時に、自国内の経済や社会問題の状況が厳しいという元では、子供教育について関心が薄くならざる負えない環境を作り出していた。

ペルーは、グローバル社会にふさわしい人材を育てるための高度な教育を行う私立学校があるのと対照的に、一般的な学校における教育の差という問題が浮き彫りにされる。

山本和奈さんは、国際基督教大学(ICU)の3年生だが、現在チリに留学をし、ペルーのNGO団体を通じ、ペルーの教育支援を行っている。ペルーの現地で行っている活動のための、クラウドファンディングについて語ってもらった。

 

■山本さんが行っている教育格差支援とは、どのようなものでしょうか。

現在は任意団体のNPO Educate Forを立ち上げ、世界中の教育的格差問題の重要性を発信し、より多くの子供たちに教室内外で受けられる教育を提供するために15人ほどで活動しています。主に国際協力を通じ、現地コミュニティーと関わり、今は日本支部とここチリ支部にて活動をしています。

具体的には、ペルーのトルヒーヨにあるNGO「Peru Vivential」を通じて、トルヒーヨのColegio Fatima(ファティマ校 )とColegio Chanchan(チャンチャン校)にて英語教育をサポートしています。

 

■この学校はどのような学校でしょうか?

双方とも私立学校ですが、様々か家庭事情のある子供たちが通う小学校で、読み書きが十分にできない子供も少なくはないという状況です。

■なぜ教育格差問題に注目したのでしょう。

もともと高校生の頃からボランティア活動にかかわるなかで、社会・環境問題には関心を持っていました。南米留学をしたことで、ペルーの教育現場にも触れ、読み書きができない子供の多さ、教育レベルの格差、そうした問題をより考えるようになりました。

現在、国際関係学や経済学を学ぶ中で、「発展」というキーワードに興味を持ちました。発展とはなにをもって発展なのか、そのコンセプトを決めるのは難しいですが、コミュニティーそれぞれが自分たちの文化を守り発展していくために必要なことはなにか?を考えると、「教育」であると考えます。

私たちEducate Forのミッションは、「経済・社会・幸福レベルにおいての発展」ですが、教育はその3つの柱のコアにあると信じてます。

 

■教育格差を経済問題としてとらえるのか、文化として作られてしまう環境かのか。伝統的な生活を守ってる地域ではどうでしょうか。

大学などの高等教育を受けないことが普通の文化の地域、例えば大学で学ぶよりも働き手として活動してもらったほうがよく、働く中での学びが重要視されるところでは、単純に「教育レベルが低い」とは決めることはできないと思います。

しかし、1つのコミュニティーに大学に行く人が多い中、様々な理由で勉強がしたいのにできない「格差」というものは教育的格差に止まらず様々な格差を産み、やがて貧困のサイクルを生む(もう既に生まれていると思うのですが)のでこのコアの問題を解消しなければいけない、と思わされました。

インターナショナルスクールに通わせていただき、素晴らしい勉強環境のICUに通ったからこそより多くの子供達にも様々な経験を共有したいと思っています。それも含め「国際協力を通して教育的格差を解消する」という事に信念を置いています。

 

■なぜ英語学習の支援活動をしているのでしょうか。

ペルーは英語教育が必修ではなく、ハイレベルな英語教育を行う学校がある反面、基礎的な英語勉強すら機会がない子供が大勢います。英語は世界共通語として、使用している人や国も多話せることで、それだけコミュニケーションを取る機会が増え、視野や経験を広くするのに役立つツールです。

また、ビジネス・学業。・プライベートでも話せることで、将来の仕事において、人生において多くの選択肢を作ることができます。

子供はなんでも興味を持ち、それを刺激することで、好奇心をさらに育て、英語力を鍛え力にしてほしいと思っています。

Peru Viventialでは、学校での無料の英語教育、また勉強道具の提供を行なっており、自分たちEducate Forもその活動を支援し私自身もボランティアとしてかかわっています。

 

■Educate Forのペルーでの活動はどのようなものですか。

Educate Forは主にイベント・プロジェクト・プログラムを通し「1. 教育的格差の問題を知ってもらい 2.経済・物資支援 3.教育的プログラム」を行なっています。

日本チームは、ペルー、トルヒーヨの学校との次のプロジェクトを行っています。

1.本棚・図書館の設立

日本から様々な英語の本の寄付を集め、現地の学校へ本棚とともに本の寄付をします。

2.手紙交換

遠く離れた日本からペルーの子供達に手紙を書いて送ります。この手紙を通して日本のことを知ってもらい日本に興味を持ってもらいたいと思っています。また日本の子供達に手紙交換を通して小さい頃から社会問題に触れ合う環境を作りたい、と思っており、そこから「チャリティーを身近に」して行きたいと思っております。

3.キャンプ

7月はペルーは冬なのですが、その一ヶ月の冬休み中の一週間、子供達が通いながら参加できる「キャンプ」を計画しております。キャンプを通して教室外の教育を行いたいと思っており、スポーツ、団結力、美術、のアクティビティ、また本をあまり読む文化ではない子供達ように本に触れ合う機会を増やすプログラムを考えています。

いずれの支援も、長期的な目処で考えています。

 

■最後に今訴えたい支援とはどのようなことでしょうか?

クラウドファンディングの内容を教えてください。

今回のクラウドファンドはペルーの子供達に勉強道具を買うため、colegio fatimaとcolegio chanchanの経済的支援を目的としています。子供達にバッグ、教科書、文房具、また教室内で使う勉強道具の支援のためにクラウドファンドを行なっております。

 

 

 

NGO Peru Viventialクラウドファンドサイト

Educate Forクラウドファンドサイト

 

 

山本和奈:インターナショナルスクール卒業後、国際基督教大学に進学。現在ICUの交換留学を通し、チリのカトリカ大学にて、国際関係・政治学を学んでいる。また教育格差の問題を掘り起こしその解決をするための団体「Educate For」を設立。

Educate For Web サイト

 

 

 


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