10月29日、東京・渋谷区役所のスペース428にて、ペルー政府貿易観光庁・ペルー大使館商務部主催による、ペルーのファッションを知る展示会相談会が開催された。

本年は、日本からペルーへの移民120周年記念にあたり、そのイベントの一つとして、ペルーのアパレルメーカが来日。

ペルーのアルパカ素材を使ったニット製品、インテリアテキスタイル等が紹介された。

アルパカはラクダ科に属し、ペルーやボリビアなどの3000Mを超えるアンデス山脈にある高地に生息している。当地の伝統的な家畜で、古くからその柔らかく保温性に優れたアルパカの毛は、織物や衣服に使われていた。

アルパカの毛の特徴は、軽く通気性があり、そして温度を保つのに優れている。また繊細で柔らかい毛質を持ちながら、丈夫さも兼ね備えている。羊毛にアレルギーを起こしやすい人にも、ラノリンを含まないアルパカの毛糸で作られたニット製品は、アレルギーを起こしにくいと注目されている。

 

今回のPERU MODA IN ASIA2019は、ソウル、北京を開催され東京は最終地となった。ペルーのアルパカニット製品やインテリアテキスタルを扱うアパレルメーカー12社が来日。展示と商談をかねて、一般に公開された。

会場では、各メーカーの特徴を一同に知ることができ、ペルーのファッション傾向や、ニットデザインの特徴、ニット製品の多彩なテクニックなどを直接手に取って見ることができた。

また、会場では、今特に注目されているペルー人デザイナーの一人である、Jorge Luis Salinas のアルパカ素材でつくられ、日本の着物にヒントを得たデザインの「KIMONO コレクション」が飾られており、来場者の足を止めていた。

ペルーでは、この数年海外マーケットを意識した、ファッションブランドのマーケティング展開を積極的に行っている。ヨーロッパやアメリカなどに向けて製品を発表しているメーカーも多く、伝統的なアルパカ繊維を使い、新たなモードを作る若手デザイナーも多く台頭し、その活躍は注目されている。

株式会社蒔いての代表を務め、今回のPERU MODA IN ASIAの開催にも協力している、吉田彩子(写真下)さんに、今回の展示会について伺った。

◾️国内でのペルーモード展は、これまで行われていましたか

「企業の方が参加したモード展は、日本でも2年前から開かれています。しかし、これまでは企業向けの商談会が中心でしたので、今回のような一般の方もご参加いただけるのは初めての試みですね。ペルーのファッションや、アルパカ繊維について知ってもらうような展示内容にしています」

◾️ペルーのアルパカ繊維事情とは、どのようなものでしょうか。

「いま世界で流通しているアルパカの繊維は、ペルーのものもしくはボリビア。南米のアルパカが8割以上を占めています。最近、ちょっとずつニュージーランドとかオーストラリアで作り始めている動きは見えていますが、とはいえ、ペルーは一番のアルパカの素材の供給元であるといえます。ただ日本だと、糸は原料はペルーなんですが、製造自体を隣国、中国かベトナムでやるというところも多いのですね。そのため、アルパカ素材は、ペルーにルーツがあ流ものの、製品生産が他の国であるため、生産地のことが日本で意外と知られていなかったりということがあります。ペルーでは、アルパカ繊維について、種類も豊富にあることを伝えていきたいですね」

■今回展示されている会社の商品は、どのような特徴がありますか?

「アルパカは、カシミヤと比べると少し安いところがありますが、比較的原料も高価な素材です。今回来日しているアパレルメーカーさんは、いずれも特に品質の高い物を取り扱っています。しかし、日本のバイヤーさんからは、手編み製品などご覧になって、これだけの高品質なアルパカ素材を使い、さらに手のこんだ手編み製品ができているのに、それに比べて値段がそれほど高くないという声がありました」

◾️展示されている商品は、モードを感じるデザインの他、素材の良さがよくわかるシンプルな製品もありますね。

「出展されているペルーの企業も、ハイブランドとしてやっているところ、オリジナルデザインでやっているところもあれば、OEMで受けていたりとか、カスタマイズできるというところもあるので、中価格帯から、高価格帯で展開していますね。

■デザインの特徴はありますか?

「比較的、ヨーロッパ市場にむけてデザインをしているところが多い印象はあります。ドイツ、フランス、イギリスとやってきているという背景を持つメーカーさんが多いというのもありますし、最近はアメリカも増えていますね。日本向けというところでは、出展している企業さんは、今は勉強中というところが多く、今回の来日で商談などを通じて、日本の傾向を掴みたいと言いますね。やはり、目を引くのは、特徴的なデザインのものなので、印象としてはペルー南米らしいというか、華やかで鮮やかな色使いのものなどがあり、それも魅力の一つだと思います」

■来場した方が興味持たれているのは、どんなところだという感じがしますか?

「雑貨、刺繍とか、インテリア、小物雑貨は、手が込んでいて山岳地帯のアヤクーチョの人たちが作っていて、かわいいし、お値段も高くないので、注目されている。日本市場に取り入れやすそうだなというのはありますね」

「ファッション系だと、エコバレEco Valley Wildlife、若い、デザイナー自身も若いのもあるし、ファッションの好きな方に注目されているように思います。見る人が多いと思いました」

 

「奥に展示されていた、アルパカの毛をそのまま使ったぬいぐるみも人気があるようですね。いろんな動物シリーズがあり、人形も目をひいています。高級感のあるぬいぐるみ。大人が癒されるような商品です」

 

■made in Peru の素材、ペルーのデザイナーさんが活躍していく、日本での展望はどう思いますか。

「アルパカの素材が優れているのは、そのクオリティーももちろんですが、環境負荷が低い素材だということですね。こうした素材の特徴を知ってもらうために、資料パネルも用意しました。やはり、ペルー製というのは、まだまだ日本ではイメージがわきにくい。そこで、ペルーの素材、ペルーの製品というのをどう付加価値をつけていくのかは、これからのことになると思います。課題になります。

特に注目したのは、手編みのものです。クオリティーが高くとても丁寧な仕上がりの製品が作られています。アジアでの手編みに対する価格帯の値上がり感があるのと比較して、ペルーのクオリティーを見ると、高いとは言えないという感想を多く聞きました。付加価値ということでは、この手編み製品はとても強みになると思います」

ペルーの今を代表するニットアパレル各社の中から、SILVIA FASHIONの代表、

Silvia Roblesさんにお話を伺った。同社は、20年前に設立したアルパカ繊維とオーガニックコットンを使ったアパレル製品を展開している。同社では天然素材のファブリいくを使い、機械編みや手編みなで、多彩なデザインのニット製品を作っている。こうした製品は主に、フニン県のマルカポマコチャ地区の女性たちによって作られ、経済的な自立や技能向上の支援も行っている。

SILVIA FASHION

 

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