ペルー・トレド元大統領、マネーローダリングの疑い


次の大統領選出馬をねらう、アレハンドロ・トレド元大統領だが、マネーローダリングや詐欺の疑いが取りざたされている。当局によれば、トレド元大統領の妻であるエリアン夫人の母、エヴァ・フェルナンバーグさんの名義で、リマ市内にいくつかの不動産物件が購入されている。

 

現在ペルーのホセ・パラシオス主任検察官は、フェルナンバーグさんが購入した資金400万米ドルは、実質トレド元大統領からの資金だったのではないかとの疑いで、調査を進めているという。

これについてトレド元大統領は、義母が購入したものだと主張してきたが、86歳という高齢のフェルナンバーグさんが不動産を投機目的で購入する動機や、長く米国に暮らしているのになぜいまさらペルーで不動産購入なのかなど疑問が取りざたされてきた。

フェルナンバーグさんは、ホロコーストの生存者であり、不動産の購入資金は、ドイツ政府からの賠償金を当てているとトレド元大統領側は説明していたが、BBCのテレビ番組「パノラマ」の調べによれば、不動産購入の資金は、コスタリカとパナマに登録された企業を経由して、フェルナンバーグさんに支払われており、さらにこの企業はペルー国籍を持つイスラエル人とトレド元大統領の関係者とのつながりがあった。

こうした事実について、トレド元大統領は最初の説明を覆し、ペルーの大物企業家であるヨッシー・マイマン(Yossi Maiman)氏から、購入資金を借りたとメディアに答えているが、ペルーのメディアはイスラエル人のビジネスマン Sabih Saylan氏が、イスラエルの企業、Ampal社とMerhav社の創立メンバーで、さらにマイマン氏とも深くかかわりがあることを突き止めた。

ヨッシー・マイマン氏は、トレド元大統領の選挙戦を資金面で支えてきた人物として、ペルーでは知られている。

トレド元大統領は2001年から2006年の間、フジモリ元大統領が辞任後、先住民出身では初の大統領を務めた。フジモリ元大統領の公金横領や不正蓄財を厳しく追及し、米国調査会社クロール社を使い世界のどこかにあるというフジモリ氏の隠し口座を探していたが、結果的にそれを証明するこができなかった。

かつての権力者がペルーのお金を横領したと、在任中はフジモリ元大統領の功績を著しく否定していたトレド元大統領だが、次期の大統領選に意欲を燃やしてたさなかの告発は、トレド元大統領に重くのしかかっている。

写真提供:アレハンドロ・トレド公式サイト

 


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