東京農大「食と農」の博物館にてキヌア料理ワークショップ開催

6月29日、東京農業大学(東京都世田谷区)の「食と農」の博物館内で、第一回キヌア料理ワークショップが開催された。

同館では、5月8日よりアンデスからの贈り物と題して、キヌアについての特別展示が開催されている(キヌアの収穫期晩秋まで予定)。2013年は国際食糧農業機関(FAO)が、国際キヌア年と定めており、キヌアが世界の食糧安全保障に貢献し、貧困解消や栄養改善に大きく働きかけることが期待されている。これまでボリビアやペルーのアンデス地方で食べられていたキヌアだが、その栄養価の高さから健康志向の先進国向けに輸出されており、その人気と知名度は年々上がっている。

東京農業大学内にある「食と農」の博物館で現在開催中の特別展示コーナーでは、5月に植えられたキヌアの苗から、珍しいボリビア現地のキヌア加工品、国内には流通していない様々な種類のキヌアなどを見ることができる。実際に見て、触れることのできるこの展示コーナーでは、現地に暮らす先住民族たちの文化と生活に深く根付いているキヌアについて、知ることができる。

展示期間中は、いろいろなキヌアに関するワークショップが予定されているが、この日はペルー料理研究家を招いて、キヌアを使った料理の数々が披露された。

キヌアは数千年前より食用として栽培されていて、ヒユ科アサガ亜科アサガ属の植物で、ホウレンソウなどと近い種。タンパク質が他の穀類に比べて多く、アミノ酸バランスに優れた栄養食品だ。味そのものは淡白でくせがないため、いろいろな料理に使うことができるという。

この日披露されたキヌア料理は、「エビ入りキヌアピラフ」「「キヌアと鳥肉のスープ」「キヌアカレー」「キヌアのミルク煮(デザート)」だ。会場ではその場で出来上がった炊飯器で炊いたキヌアが、各テーブルに配られ試食の時に、そのプチプチと口の中ではじける食感に歓声が上がった。

ワークショップでは、特別展示の企画調査を行った同大学講師の日高憲三先生による、キヌアセミナーもあり、初めてキヌアに触れる参加者が多い中、終了時にはキヌアについて一通り学ぶことができた内容だった。

国際キヌア年は、ボリビアのエボ・モラレス大統領によって提唱されたものだが、現在ペルーのウマラ大統領のナディーン夫人も、キヌア親善大使として任命を受けている。食材としての高い注目を浴びているキヌアだが、数千年以上に渡り、厳しい気候条件のアンデスで栽培できる品種を作り、生物耐用性の保全にも貢献してきたアンデスの民の文化を今に伝える穀類でもある。

   
 

東京農業大学・国際キヌア展特別展示

 


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