東京広尾のペルー大使館でナスカ地上絵写真展開催
ペルーの世界遺産である「ナスカの地上絵」。古の人たちがどのような目的で謎に満ちた地上絵を作ってきたのが。その解明に大きな貢献をしているのが日本の山形大学だ。11月25日から開催される駐日ペルー大使館での「ナスカ地上絵写真展」を前に、24日同大使館では、山形大学の坂井正人教授によるナスカ地上絵の特別講演が開かれた。
現地で立ち入り調査を認められた唯一の外国研究機関の山形大学。これまでの世界に先駆け、新たな地上絵の発見を成功させてきた。2012年には、ナスカ研究所を現地に設立。同大学の坂井正人教授らは、人口衛星写真を使い地上絵を探し、さらに元の図から歩数換算で拡大した絵をじっさいに書いてみるなど実験を行い、謎の解明に努めている。
地上絵がなぜできたのか?その疑問は長いこと人々の興味を書きたて、あらたなペルーの古代史のロマンも生んでいた。しかし、講演会では、地上絵の多くにある直線の地上絵は、ナスカ一体の集落を地上に記録する目的だったのではないかという見方も発表された。また、地上絵の近くに多くみられる大量の土器破片を調査。土器ののこっている物質も現在調べているとのことだが、これもなにか地上絵と深いつながりがあるのかどうか予測を裏付けるための分析調査を急いているとのことだ。
また、大変興味深かったのは、地上絵の源図から、歩数を換算して図を拡大していくと想像以上に簡単に巨大な図を書くことができることがわかったという。直線距離がどのくらいの歩数なのか、また角度を正確にとらえていうことで、より短縮した時間でも地上絵ができあがったというのだ。


それは、まずナスカの地上絵観測につかわれる展望台のミラドールが老朽化している。つづいてこれだけの文化遺産なのにもかかわらず、この地は住宅開発や道路建設が進み、ナスカの地上絵そのものに影響を受ける可能性が高く、地域開発と文化遺産の保護の間で衝突し合うというわけだ。こうした現状を日本の知恵で解決していくため動き出した企業もある。埼玉県新座市の株式会社ミラドールは、山形大学の研究保護を支援する協定を結び、オリジナルの銀製品を制作。その販売をペルーで展開し、売上は保護支援のために提供するという活動を行う。
ペルーと日本の深いつながりが成功させた、ナスカ地上絵の研究と調査。人々の深い英知と文化を垣間見る写真展に、足を運んでみてはどうだろうか。
写真上:駐日ペルー大使館講演模様
写真中左:左よりエスカラ駐日ペルー大使、坂井教授、エスカラ大使夫人
写真中右:左より日本ペルー協会奥村事務局長、坂井教授、株式会社ミラドール田島社長
■『ナスカ地上絵 写真展』
開催期間:11月25日(火)~12月4日(木) 平日のみ開催、土日は閉館
時間:10:00-17:00 ただし、13時~14時はお昼休みのため見学不可
場所:東京・広尾 駐日ペルー大使館 マチピチュホール
アクセス:JR恵比寿駅 日本赤十字バス行きバスで「広尾高校前」にて下車。

主催:ミラドールプロジェクト
協力:ペルー大使館、日本ペルー協会、国立大学法人山形大学