ペルー日系人の歴史を知るパネル展示公開
10月21日から、東京・上野の国立科学博物館では、古代アンデス文明展が開催されているが、同時期にペルーの日系人について知る、パネル展示も同時開催されている。
ペルーは南米諸国の中で、もっともはやく日本との国交を樹立した国だ。1873年8月に日秘修交通商航海仮条約が締結された後、1899年からは、ペルーへ仕事を求め集団での移民が始まっている。夢と希望を胸に秘めた新天地ペルーで待っていたのは、生活習慣の違いだけではなく、重労働や賃金の不払いなどの劣悪な労働環境だった。さらに南米の風土病によって多くの人が亡くなるという悲劇も起きている。
厳しい現実の中、ペルーに渡った日本人たちは、少しずつ成功を重ね、ペルー社会の中に地位を築いていった。その中心となっていったのが、ペルー日系人協会だ(APJ)。
同協会は、今年100周年記念を迎え、11月には、パンアメリカン日系人大会(COPANI)の開催がペルーで予定されている。
今回、国立科学博物館では、ペルー日系人の歴史と、ペルー日系人協会について10枚のパネルで紹介されている。100年以上前にペルーへと渡った日本人の祖先たちの歴史を振り返り、80年代後半から今度は、日本へと戻り日本社会の中で生きる、日系人のことをわかりやすく教えてくれる。
来日しているペルー日系人協会会長のホルヘ・クニガミ氏は、日本の裏側にあるペルーには、南米で第二番目の規模の日系人コミュニティーがあることを、日本の皆さんに知ってもらいたいという。
「私たちペルーの日系人は、日本人が教える勤勉、正直、誠意といった日本人の気質を大切にしながら、日本の伝統文化を引き継いでいることを誇りにしています。日本人の心をを持ちペルー社会で活躍してきた日系人のことを伝えていきたい」と語る。
展示場所は、古代アンデス文明展の会場見終えて、物産エリアに行く途中の通路になる。