ペルー前大統領夫妻、資金洗浄容疑で身柄拘束


7月18日夜、ペルーのリチャード・コンセプシオン裁判官は、オリャンタ・ウマラ元大統領(2011-2016)とその妻、ナディーン・エレデイア(Nadine Heredia)に対して、18カ月の司法勾留令を出した。

ウマラ前ペルー大統領と夫人は、ベネズエラ政府および、ブラジルの大手建設会社オデブレヒト社から、大統領選挙キャンペーン資金を提供され、マネー・ロンダリングに加担しているとの嫌疑がある。
ペルー検察庁より、この嫌疑に対してウマラ元大統領および夫人が、捜査妨害証拠隠滅の恐れがあるとし、予防拘束を裁判所に申請していた。
現在まで、ナディーン夫人が、多くの企業から不正な献金を受けており、個人的な車両や不動産などの購入に使われているとの証拠が挙がっている。
また、選挙時のキャンペーン費用については、同社のリマ支店長を務めた、バラタ(Jorge Barrata)前オデブレヒト・ラティンベスト(Odebrecht Latinvest)社社長による証言で、ブラジル労働者党(PT)からの要請を受けたマルセロ・オデブレヒト同社社長(当時)が命じ、夫妻はこれを受け取っているという。この証言も証拠として、司法に提出されている。


今回の拘束は、マネーロンダリングの嫌疑についてだが、今後ウマラ元大統領についての疑惑がどこまで拡大するかは、これからではないかとペルーメディアは指摘する。
しかし、オデブレヒト社からの献金問題は、ウマラ前大統領だけではない。
オデブレヒト社の証言によれば、フジモリ元大統領あとに就任したトレド元大統領は、大洋間横断道路の南部第二2区、第3区の建設工事を同社が受注できる見返りとして、2千万ドルを受け取っていたという。
3月には、検察庁のトレド元大統領の拘留請求が行われたが、米国へと同氏は雲隠れしている。

写真上、中は、司法宮殿に出頭したウマラ元大統領とナディン夫人。下は、2012年5月に来日した当時のもの。


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