立教大新座キャンパス「日本とナスカの地上絵」講演会開催

6月16日、ペルー日本外交関係樹立150周年を祝し、「日本とナスカ地上絵」~発見の20年~と題した講演会が、立教大学新座キャンパスで開催された。

講演会では、長年に渡りナスカの地上絵を研究している坂井正人教授(山形大学)による、最新の研究成果が発表された。

また、地上絵の研究支援や保護のため、株式会社ミラドールを設立した田島陽志代表取締役が、これまでの活動について講演会を行った。田島氏は、学生時代に初めて見たナスカの地上絵が、保護されることなくあるのを目にしてから、継続的に支援していくためにと、まずこれまでの古い観測塔ではなく、訪れた人が地上絵を安全に観察できる観測塔を建設するため「ミラドールプロジェクト」と名を付けた活動を2011年にスタート。2018年には新しい観測塔が完成した。今では年間3万人もが訪れるほど人気となっている。

ナスカの地上絵は、荒涼とした砂漠のような環境に、50Mを超すような大掛かりな動物や虫などが描かれている。しかしあまりに大きすぎるため、大地にいてはその存在がわからず、俯瞰した状態で初めてその絵の全貌がわかるのだ。いったいだれが何のためにこれを描いていたのか。これまでは謎でしかなかったが、ペルー文化省がナスカ台地での学術調査を世界で唯一許可した、坂井正人教授率いる研究チームには、日本国内や欧米の研究者も加わり、ナスカ地上絵の解明プロジェクトが進められている。

これまで地形図は400点ほど確認されているが、そのうち358点を見つけたのが山形大学の研究チームだ。地上絵は航空写真やドローンで撮影された画像を分析、分析にはIBM研究所や最新AIを使った研究が実施されているという。こうした確認された地上絵は、考古学や人類学、情報科学、認知心理学の専門家らが加わり、解明されてきている。

講演会には、並木傑新座市長、ロベルト・セミナリオ在日ペルー共和国駐日大使が出席。外交150周年を迎えるこの節目は、ペルーと日本にとっても大切な1年であると、これまでの友好関係をさらに強くするメッセージが、ペルー大使よりあった。

写真:(左より)田島陽志氏、ロベルト・セミナリオ在日ペルー共和国駐日大使、坂井正人教授

日本ペルー外交関係樹立150周年記念企画 「日本とナスカの地上絵」~発見の20年間~ 主催:在日ペルー大使館

写真提供:日本ペルー協会事務局長 奥村邦夫氏

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