11月27日より都内でペルー映画祭開催

今年ペルーは独立200周年という節目を迎えた。これまでペルー映画を日本に紹介する活動を行ってきたブエナワイカが、今のペルーを知るにふさわしいドキュメンタリー、フィクションなど様々なテーマから選ばれた14作品が上映される「ペルー映画際」を11月27日から開催する。

上映される多くの作品が、日本未公開ものばかり。ペルー料理やペルー音楽のルーツ知るドキュメンタリーや、ペルー社会を映す作品ばかりだ。これらの作品が一堂に会するこの機会は、ペルーに興味がある人ばかりだけではなく、映画ファンを大いに満足させることだろう。

ペルーでは近年、若い映画監督が国際映画祭に作品を積極的に出しており、世界的にも評価が高まっている。このペルー映画祭のために選ばれた作品は、どれも興味深い内容であるが、特につぎの2点をペルーニュースでは取り上げたい。
まずは、ジョナタン・リレイズ監督の「ROSA CHUMBE」。
主人公の警察官ロサは、アルコールへの依存とギャンブル依存症に悩まされている。シングルで息子を育てる娘と共に暮らしてるが、生活に追われ喜びを忘れたロサにとって、酒もギャンブルも一時苦しみから逃れさせてくれるように思うのだった。

そして娘もまた母親が作り出している人生の閉塞感を体現いているようで、二人にとってこの人生を変えるのにすがったのが、ペルーでは奇蹟を起こす守護聖人して広く信仰れている、セニョール・デ・ロス・ミラグロスだった。時は10月。厳粛なお香の煙とセニョール・デ・ロス・ミラグロスを礼拝する人たちの行列にロサは奇蹟を信じて、ついて行くのだった。

若い時のように夢見た、いつか誰かが幸せにしてくれるかもしれないという希望はなく、鏡を見ると不機嫌そうな中年女が映るだけの様子を、女優リリアナ・トルヒーヨが驚くほどリアリティを感じさせてくれる。映画にでてくるリマの街の喧噪、たくましい人々の生活は、映画のテーマと相反してどこか明るく滑稽でもある。

続いて紹介したいのが日本人の藤川史人監督の作品「SUPA LAYME」だ。藤川監督はこれまで「過日来(2012年)」「いさなとり(2015年)」「ひかりのどけき(2021年)」などを発表している。その藤川監督がアンデス高地に暮らす一家の営みを記録したのが、「SUPA LAYME」だ。


一家の暮らしは、季節や環境にあらがわず、ずっとアンデスの民が行ってきた営みがそこにある。厳しい環境の中にあっても家族には喜びがもたらされそして苦しみを乗り越えていくのだった。

ペルー映画祭は都内で上映後、横浜市、京都でも開催が決定している。

公式サイト https://www.peru-film-festival.com/

<開催日程>11月27日(土)~12月10日(金)

<開催場所>新宿K's cinema(東京都新宿区)

劇場HP:https://www.ks-cinema.com/

<入場料>当日:1,500円3回券:3,300円大・高1,300円シニア:1,000円

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