ユネスコ世界文化遺産に登録されているペルー・ナスカの地上絵。その地上絵を観測できる新しい観測塔「ミラドール」が完成し、贈呈記念式が3月20日、都内の駐日ペルー大使館で行われた。

ナスカの地上絵は、リマから南へ400キロ離れたアンデス山脈と太平洋沿岸に挟まれた砂漠地帯にある巨大な地上絵だ。

紀元前200年から紀元後800年のナスカ文化の時代に描かれたもので、動物や植物をモチーフにしたと思われる具象図や幾何学模様のものなどが発見されている。大きさは数十メートルから数十キロメートル近くになる大きなものまであり、これまで発見されたものの他、山形大学人文学部付属ナスカ研究所の設立後、さらに調査が進み、ナスカ時代よりも古いパラカス期(紀元前400年~200年)の地上絵も発見されている。

その絵の目的や描かれた理由はいまだよくはっきりはしていない。しかしナスカの地上絵の発見と研究に生涯をささげたドイツ人マリア・ライへ氏が、保護活動をはじめるまでは、人々の生活道路として地上絵の上に車が走ったりなど、踏み荒らされていた。

私財をなげうって観測塔をライへ氏は設立。しかし完成から40年を優に超えた観測塔は老朽化が進んでいた。そこで、立ち上がったのは学生の時にペルーを訪れその歴史に心を動かされた田島陽志氏だ。田島氏はワイヤー放電加工機・マシニングセンターを使った車や医療機器などに使う精密小物加工など様々な金属加工を行う有限会社田島製作所の取締役を務める。

ナスカへの地上絵の文化的歴史的な重要性を保護するために、新しく観測塔を兼ねた展望台建設支援と研究保護活動支援のため株式会社ミラドールを設立、そして「ミラドールプロジェクト」が始動した。

その観測塔が2018年12月に完成。高さは18M、最大収容人数は25人。マリア・ライへが作ったミラドールの向かいに建てられた。

ミラドールプロジェクトは、専修大学が行う「問題解決型インターシップ」のプログラムと連携し、参加した同学生と共に、保護活動資金のためにペルーを訪れる観光客向けの製品を開発している。

この日、プログラムに参加した学生の代表が、フォルサイト駐日ペルー大使に観測塔の目録を手渡した。

ミラドールプロジェクトは歴史的貴重なナスカの地上絵保護活動支援と新しい観測塔の落成というゴールに到達し、さらに次世代のペルーと日本をつなぐ人材の育成に大きな成果をあげた。

写真上より、ミラドールプロジェクトの報告をする田島氏・完成写真を受け取るフォルサイト駐日ペルー大使・贈呈式典の様子・左より田島陽志氏(株式会社ミラドール代表取締役)、フォルサイト駐日ペルー大使、日本ペルー協会奥村事務局長

 

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